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CONFERENCE (DOMESTIC) 金融ソーシャルメディア投稿における読み手が受け取る投資スタンスの分析
細川 蓮 (奈良先端科学技術大学院大学), 上田 健太郎 (奈良先端科学技術大学院大学), 諏訪 博彦 (奈良先端科学技術大学院大学), 小川 祐樹 (東京都市大学), 梅原 英一 (新潟国際情報大学), 坪内 孝太, 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)
第5回計算社会科学会大会 (CSSJ2026)
March 04, 2026
金融ソーシャルメディアは,市場心理や短期的な需給期待を把握するうえで重要な情報源である.一方で,金融掲示板の投稿は省略や文脈依存を含みやすく,同一投稿でも読み手によって受け取り方が分かれ得る.このため,投稿に単一の正解ラベルを与える従来の枠組みでは,読み手の反応全体を表現することが難しい.この課題を解決するために,本研究では,金融ソーシャルメディアの投稿テキストを入力として,読み手が受け取る投資スタンスの割合を確率分布(読み手投資スタンス分布)として予測する学習問題を定式化する.投資スタンスは Strong Sell, Sell, Hold, Buy, Strong Buy に加え,テキストだけでは判断できない場合を表す Unknown を含む6クラスで定義する.Yahoo!ファイナンス掲示板の日経225スレッドから500件の投稿を抽出し,各投稿に対して100名の読み手から独立にスタンス判断を収集した結果,合計50,000件のアノテーションを得て,各クラスの比率を読み手投資スタンス分布として構築した.分布の分析から,読み手スタンス分布が Hold や Unknown に偏る投稿が多いこと,および書き手の自己ラベルと読み手の多数決スタンスの一致が低いことを確認した.さらに,分布間距離に基づく評価により,テキストのみでも読み手投資スタンス分布を一定程度予測できることを示した.