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カンファレンス (国内) 音響シーン認識のためのサブアレイ間相関特徴量の検討

河村 隆生 (東京都立大学), 木下 裕磨 (東京都立大学/東海大学), 小野 順貴 (東京都立大学), シャイブラー ロビン

日本音響学会 2022年秋季研究発表会 (ASJ 2022 autumn)

2022.9.14

音声や楽音に限らない広範な種類の音を対象とした環境音分析に関する研究が盛んに取り組まれている。環境音分析は周囲の状況把握に有用であり,ライフログの自動生成や自動運転といった様々なアプリケーションへの貢献が期待されている。環境音分析の主なタスクとして,音響シーン分類 (ASC: Acoustic scene classification) がある。ASC は,音響信号から事前に定義されたシーンラベルを推定する問題である。複数のマイクロホンを用いた ASC では,異なるマイクロホンで取得した録音信号を組み合わせることにより,空間特徴量を活用することができる。例えば様々な音の到来方向や方向性/拡散性などの空間特徴量は,音響シーンを特徴づけるのに有用と考えられる。しかし,個々のマイクロホンやマイクロホンアレイ (以下ではサブアレイと呼ぶ) が分散配置されている状況では,マイクロホン間でサンプリング周波数のミスマッチや録音開始時刻の不一致が生じるため,マイクロホン間の相互相関特徴量 [2] といった空間特徴量の取得は容易ではない。このため,分散マイクロホンアレイから取得した空間特徴量を ASC へ活用することは,これまであまり検討されてこなかった。そこで本研究では,分散マイクロホンアレイにおいてサブアレイが同期している場合に,サブアレイ間相関特徴量の ASC への寄与を調査する。