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カンファレンス (国内) TiltChair: 座面の前傾により姿勢誘導するオフィスチェア
鈴木 蒼生 (東北大), 藤田 和之 (東北大), 高嶋 和毅 (東北大), 池松 香, 北村 喜文 (東北大)
第25回一般社団法人情報処理学会シンポジウム インタラクション2021 (インタラクション2021)
2021.3.10
長時間の静的な座位姿勢は,筋骨格系の不調だけでなく,心疾患や生活習慣病のリスクを高め死亡率の増加にも繋がる深刻な問題である.しかし,これまで検討されてきた姿勢誘導手法の多くはユーザの作業中断を伴うか,ユーザの自発的な利用を必要とする.そこで本研究では,座面の前傾角度を変化させることでユーザの立位動作を物理的に支援するシステムであるTiltChairを提案する.本システムの有効性を示すため,一般的なオフィスチェアの座面を空気圧制御により傾斜可能にしたTiltChairのプロトタイプを製作した.このプロトタイプを用い,12名の参加者に平均4.25時間のデスクワークを実施してもらい,長時間の座位の解消への有用性を検証する実験を行った.この結果,小さな傾斜角度(15度)では27.2%,大きな傾斜角度(35度)では60.0%の割合で,本システムの前傾動作がユーザを立位姿勢へ誘導した.また,大きな傾斜角度(35度)であっても,ほとんどの参加者から,座面傾斜はタスクを干渉するものではなかったと感じられていたことがわかった.